東北地方太平洋沖の未曾有の震災から1週間が過ぎようとしています。
2011年3月11日14時46分、三陸沖を震源に国内観測史上最大のM9.0の地震が発生しました。津波や火災で被災されました皆様のご心痛や不安は計り知れないものがあると存じます。そして、今もなおライフラインを絶たれ暖も満足な食もとる事が困難な状況化において、度重なる余震に脅かされる被災地にお住まいの皆様に心よりお見舞いを申しあげます。また、行方が分からなくなったご家族の皆様の心情は計り知れないものがあると思いますし、多くの尊い命を失われた犠牲者のご冥福を心からお祈り申し上げます。
この様な中、偶然にも仙台市塩釜に研修で行っていたのですが、研修開始2時間後間もなくにそれは起きました。小さな横揺れから、それがおさまらずに次第に大きく揺れはじめこと2分間だっただろうか。幸い地震による建物倒壊はなかったのですが、そのあと押し寄せてきた波により一瞬に地域は見るも無残な形にその姿を変えて行きました。その後は被災者となり約48時間後に東北を後とする事と出来たわけですが、その間では暖も食も満足にとれない状況でした。しかし、いま最も気がかりなのは、被災されている皆様が時間がたつにつれ益々食や水分、暖をとる事が困難になって行っていることでございます。被害が広域で物質を供給するとのが難しい状況でしょうが、どうか一刻も早い物質的支援が叶えばと願っています。
今回、心配される中の一つに原発の放射能漏れがございます。報道等では安全な数値としきりに言われていますが、放射能が広くに飛散し生命に及んでいることは事実なのです。情報を一方的に鵜呑みにせずにそれぞれの判断で万全を尽くしていくことが必要であると思って止みません。特にこれからの未来を生きていくかけがえのない子どもたちを被害者にしてはいけません。
また、世界に誇れる強靭な精神文化が各国に驚きと称賛をもたらせています。原発に命をかけて日本の未来のために挑む皆様方、非常時においても混乱や略奪のおきない日本人の国民性。さらに、被災者となり食もつき、わずかな配給にも当然のごとく子どもや弱者を優先に譲り合い、氷点下の中を根気よく感謝の心で待ち並ぶ忍耐強さと秩序をもったその姿勢は、私たち日本人がDNAとして自然に持ち合わせいるアイデンティティであり、これこそが世界に誇れる日本人の品格ではないでしょうか。
また一方では、東北地方太平洋沖地震や、それに伴う計画停電で改めて考えないといけないことは、アナログの重要性、つまり「江戸しぐさ」に見て取れる「もったいない」の精神であると思います。さらに、隣近所との顔の見える生活の大切さは、非常でも復興でも一番の力になってくれることでしょう。しかし、残念ながら、この重要性は個々においても十分承知のことであると思いますが、事態が起きないと気付けない、また、時が過ぎれば忘れて行くサイクルとなっていることです。だからこそ、今こそ日本人の誇りにかけて変わらなければならない時が来ているのではないでしょうか。今すぐに原発を否定はしませんが、でも、原子力発電に依存した豊かすぎる生活が当たり前なのではなく、本当にこれで良いのかと原発から学び取ることのできる勇気と知恵と、それらを一人ひとりの心がけに基づいて、誰にでも取り組める習慣に変えて行くことのできる覚悟と気概、そのイニシアチブを発揮しより早期に問題解決に向けて新たに歩み始めなければいけない時が来ています。人が変われば社会が変わるものなのです、見ているだけじゃなくて、今やれるだけのことを確実な行動に移すことが、より良い未来を創り上げていくこととなるでしょう。
今回の大惨事により再び日本人の心が本当の意味での一つになりましたね。余談になりますが政治の世界においても、もう考えなければいけないのではないでしょうか。また、世界の人々との絆がさらに強く繋がってきたことを誰もが感じ始めていると思います。だからこそ、共に痛みを分け合い、共に力を合わせて、希望に満ちた日本の再復興に向けて、そしてその先にある本物の世界平和実現に向けて、共にがんばりましょう。