~これからも世界から尊敬される日本であるために、そして本当の豊かさとは~
2011年2月、これまで43年間続いた経済大国日本のGDPは中国にそれを抜かれ世界第3位へ。
ある意味大きな歴史の変化にもかかわらず、報道の在り方、或いは日中両国の受け止め方、また、両国民目線での受け止め方もいたって冷静だったように思えます。
その背景の一つに国民一人あたりのGDPは世界平均で8,000ドルに対し、日本は39,5733ドル、一方の中国は3,566ドルで日本の10分の1とあります。中国人はこの数字はもとより、実生活の中で感じる庶民の暮らしはどうなのか?世界第2位の冠に見合うほど豊かになったのか?GDPが上がると言うことで何がどうなるべきなのかを問いただしているようにも思えます。このことからも中国庶民は生活レベルでの経済大国第2位という肩書を冷静に受け止めているようです。
また、日本国民としても冷静に受け止める以前に、いつの間にか定着した無関心な国民性の問題があります。たしかにGDPの数字は我々庶民には実感がないのも分からなくもありませんが、しかし、それは「今を生きる」という考えから、「今も生きる」そして「未来も生きる」という視点から考えれば、この先、少子高齢化等様々な問題が山積みしているのにも関わらず、あまりにも無関心というのは望ましくありません。
しかし、一方では国民目線でのGDPを考える機会がプラスに作用したこともあったとのではと思います。つまり「GDPの成長は何のためにあるのか」という事を改めて確認できる機会であったように思うからです。
中国のコメントにある「GDPで日本を抜くことに意義はなく、我々の生活はまだまだ日本に及んでなく、勝ったのは「量」だけで「質」が伴っていなければ意味がない」とありました。このことからも、GDPの追及への意味や意義を問いただしているように感じます。
さらに、GDPというのは人類に不幸をもたらす生産を含め、様々な事件や事故が起きても拡大するという側面があります。逆に、人々に考える機会を与え、その結果幸せをもたらす地域運動やボランティア活動の多くはお金の動きを伴わず、そのためGDPにはカウントされない側面があります。
このことからも国民目線で求めているのはGDPの成長や数字ではなく、それは、正に世界人類の共通の願いである、心豊かで幸せな社会、GNH(Gross National Happiness:国民総幸福度)であると思います。
2009年にGNHという、その尊敬すべき取り組みを20年余り前から推し進めているブータン王国のジグメ・ティンレー首相の話を聞く機会がありました。ジグメ・ティンレー首相は普通選挙による国民議会選挙を実施後、選挙によって選ばれたブータンの初代民選首相でもあります。
ブータンは先に述べた国民一人当たりのGDPもわずか1,770ドルで、アジアでも最貧国と捉えがちですが、驚くべきは人口68万人の国民の97%が「幸せである」と感じているのです。
お金や物質的を数値化して図るGDPに相反して、心豊かさである幸福度をもたらすGNH。
昨今、世界情勢やアジアにおける変化、言わずと知れた日本の現状、また、近々では中東における民主化への想いにも見て取れる大きな時代の転換期であるといえる中、各国家として進むべき岐路は、そして、私たち人類一人ひとりに出来ること、やらなければならないこととは…
~親孝行をして、兄弟は互いに力を合わせ助け合い、夫婦仲むつまじく、お互いを信じあう友情、すべての人々に愛の手をさしのべ、学問を怠らず、職業に専念し、知識を養い、人格をみがき、さらに進んで公益のために貢献していくべきである。~【国民道徳協会訳文による教育勅語の口語文訳】
そう、日本は世界に誇れる日本人としてのアイデンティティを持ち合わせています。少し置き忘れているものの、国民一人ひとりの根っこの部分にある揺るぎない精神性。それはこれからも数字では表せない日本人の誇りであり、それこそがお互いの幸福度を高めて、世界のGNHを成長させて行くこととなるのです。そして、これからも世界から尊敬される日本であるために。
「アインシュタインの予言」より
~近代日本の発達ほど、世界を驚かしたものはない。この驚異的な発展には、他の国と異なる何ものかがなくてはならない。果たせるかなこの国の、三千年の歴史がそれであった。この長い歴史を通して、一系の天皇をいただいているということが、今日の日本をあらせしめたのである。私はこのような尊い国が、世界に一カ所位なくてはならないと考えていた。なぜならば世界の未来は進むだけ進み、その間幾度か戦いは繰り返されて、最後には戦いに疲れる時がくる。その時人類はまことの平和を求めて、世界的な盟主を挙げねばならない。この世界の盟主なるものは、武力や金力ではなく、凡ゆる国の歴史を抜き越えた最も古くまた尊い家柄ではなくてはならぬ。世界の文化はアジアに始まって、アジアに帰る。それはアジアの高峰、日本に立ち戻らねばならない。吾々は神に感謝する、吾々に日本という尊い国を、作って置いてくれたことを~
私も一市民、一企業として生活者視点に立った等身大のハッピネスをもたらすことで、心豊かな社会を目指し、未来も生きる子どもたちの為に、平和で明るい豊かな社会を創造していきたと心からそう思っています。
その為にも、こころ花で、人々のこころに幸せの花、そして光輝く未来の花を咲かせます。